
BEMiの場で起こること
指していることは、とてもシンプルです。
誰かが動くのを待つのではなく、自分でどう応えるかを選べる人が増えていくこと。
ここでは、その始まりのひとつをご紹介します。
事前の準備も、宿題もありません。
最初に短く説明をしたあと、参加者にはひとつだけお願いをします。
話すタイミングは、自分で決めること。
そして、そのタイミングは、ほかの人にも委ねること。
そのあと、スライドが始まります。
私は説明もしませんし、途中で口を挟むこともありません。
オンラインでも、同じように進められます。
あとは、予想外の出来事が仕事をしてくれます。

──── 参加者が目にするもの
セッション例|スライド 1


──── 見えていないところで起きていること
何をすればいいんですか?
参加者の多くは、このようなプロジェクトを予想していません。
最初に起こるのは、たいてい沈黙です。
少し戸惑ったように、お互いの顔を見合わせます。
細かな説明も、目指すべき答えもありません。
前に進むには、確信がなくても、自分が考えていることを話し始めるしかありません。
それは、意図してそうしています。
仕事の現場では、台本のない状況に応えることが、いちばん難しい場面のひとつだからです。
ここでは、用意した答えを練習するのではなく、予想外の状況を一緒に経験することから始めます。
このプロジェクトには、正解はありません。
あるのは、ひとつの問いだけです。
その問いに向き合ううちに、いつものパターンが少しずつ見えてきます。
誰が待つのか。
誰が動き始めるのか。
誰が確かな答えを求めるのか。
そして、確信がなくても考えを言葉にできるのは誰なのか。
そうしたパターンは、ときにプロジェクトそのものと同じくらい大切なものになっていきます。

──── 参加者が目にするもの
セッション例|スライド 2


──── 見えていないところで起きていること
確信がなくても話してみる
声に出して、まだ確かではない考えを話すことに、思いのほか難しさを感じる人もいます。
けれど実際の仕事では、十分な確信を持てないまま、応えなければならないことがよくあります。
だからこそ、このプロジェクトには、意図的に「正解」へ導く手がかりを置いていません。
全員が同じ画像を見ます。
けれど、それが何を意味するのかを、確かに知っている人はいません。
人が少しずつ、まだ仮の考えを口にし始めると、グループは気づいていきます。
異なる見方は、なくすべき問題ではない。
対話を始めるための材料なのだと。
そして同じくらい大切なのは、私もまた、そのグループがどのように考えるのかを知り始めることです。
一人ひとりの応え方を見ながら、そのあとのセッションをどこへ進めるかが決まっていきます。

──── 参加者が目にするもの
セッション例|スライド 3


──── 見えていないところで起きていること
待って……そんな見方もあるの?
次のスライドが現れると、参加者はよく笑いながら言います。
「えっ……間違ってたんだ」
私は、そこで口を挟みません。
その反応自体に、大切なものがあるからです。
実際には、何かが正解や不正解として示されたわけではありません。
ただ、同じテーマを別の枠組みで見る方法が現れただけです。
人はよく、ひとつの考えを「良いか、悪いか」で捉えようとします。
たとえば、「心理的安全性にも、行き過ぎることがある」と聞いて、本当に驚く人は少なくありません。
けれど、少し考えてみると、たしかにそう言える場面があることに気づき始めます。
ここで起きているのは、とても大切な変化です。
ひとつの「正解」を、別の「正解」に置き換えているのではありません。
見方が変わると、自分では分かっていたつもりのことの意味まで、まるごと変わって見える。
そのことを、頭で理解するのではなく、実際に経験し始めているのです。

──── 参加者が目にするもの
セッション例|スライド 4


──── 見えていないところで起きていること
見ているものの意味が、変わってきた
次のスライドは、もうひとつの見方を加えるだけではありません。
同じ考えでも、置かれた状況によって、まったく違う働きをすることが見えてきます。
心理的安全性が助けになることもあれば、ほとんど影響しないこともあります。
場合によっては、新たな問題を生むことさえあります。
違いを生むのは、その状況です。
ここから、考えることは少し難しくなります。
けれど同時に、より現実に役立つものになっていきます。
グループはもう、ただ「心理的安全性はよいものか」とは問いません。
この状況で。
この人たちが。
この仕事をするとき。
実際には、どんな影響があるのだろう。
そう考え始めます。
こうした新しい見方が加わることで、テーマ全体の捉え方が大きく変わることがあります。
複雑にすること自体が目的ではありません。
判断や選択、そして実際の働き方を変える違いに気づくことが目的です。
ときには、私が予想していなかった大切な問いに、グループがたどり着くこともあります。
それは脱線ではありません。
自分たちで、役に立つ見方を生み出し始めたということです。
ときどき、あまり話していない人を助けようとして、誰かがこう尋ねます。
「どう思いますか?」
私が口を挟むことがある、数少ない場面のひとつです。
話し合いを私の望む方向へ導くためではありません。
いつ話すかを自分で決める権利を、一人ひとりに残しておくためです。

──── 参加者が目にするもの
セッション例|スライド 5


──── 見えていないところで起きていること
やっと、少し説明があった!
いくつかの異なる角度からテーマを経験したあとで、ようやく私は、少し直接的な振り返りの問いを投げかけます。
大切なのは、この順番です。
先に振り返るのではなく、まず経験する。
心理的安全性について説明し、「分かりましたか」と尋ねるのではありません。
参加者はまず、自分たちで、不確かさに向き合い、いくつもの見方に触れ、見え方が変わり、対話が生まれていく過程を経験します。
そのため、話し合いはもう、心理的安全性だけについてのものではありません。
状況が動いていく中で、自分たちの考え方がどう変わったのかについても、話し始めます。
いくつかのセッションを重ねるうちに、こうした経験は、その後に現れる予想外のプロジェクトへの向き合い方にも表れてきます。
やがて同じ変化が、実際の仕事の中にも現れ始めます。
状況をどう見るか。
いつ話すかをどう選ぶか。
不確かさにどう応えるか。
そして、誰かが先に動くのを待たずに、どう動き始めるか。

この進め方に、何か感じるものがあったなら
ここまで読んで、ご自身のチームで起きていることが、少し前よりもはっきり見えてきたなら。
そして、このように育っていく人や組織の姿に、何か可能性を感じられたなら。
私たちは、きっと一緒によい仕事ができると思います。

BEMiでは、自信を持って発言できるチームを作り上げるためのトレーニングを行います。各企業様にとってベストなプログラムを選択、ご提案させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。
